門松を斜めに切る理由は?竹の先端が平らなものとの違いや意味を解説!
今年も残すところあとわずかですね。

クリスマスが過ぎると、街は一気に年の瀬ムード。
仕事納めをして、年始の年神様をお迎えするためのお正月飾りを飾る会社やお家が多くなりますよね。

お正月飾りの定番の1つに、玄関先に飾る門松がありますね。
一般のお家ではなかなか飾る機会がなくても、会社やお店では玄関先に立派な一対の門松を飾っているところもまだまだ多いですよね。
門松は、一年の幸福をもたらしてくれる年神様に来ていただくための目印で、年神様のお正月の間のより処と言われている大切なお正月飾りです。
竹を3本斜めに切ったものを並べている門松が全国的にみても主流ですが、竹の節のところで平らに切ったものもあることをご存じですか?

そこで今回は、下記のような内容で、門松についてまとめてみました。
斜めに切るのにも、平らに切るのにも、どちらにもちゃんと理由があったんです。
この季節にぴったりな話題は、忘年会の小ネタにもなるかも?
ご自分の会社やお家に飾る門松はどっちが向くのか知りたい方、ぜひ参考になさってくださいね。

  • 門松を斜めに切る理由は?切り口がとがったものが正式なの?
  • 門松の竹の先端が斜めと平らの違いは?由来を知りたい!
  • 門松の飾り方で右左の向きは?正式な方法を知りたい!

門松を斜めに切る理由は?切り口がとがったものが正式なの?

門松の絵を書いて!と言われたら、9割の方はきっと竹の断面を斜めに切った形をイメージしますよね。
私もそうです。
門松のイラストをグーグルで画像検索しても、出てくるのは斜めに切った形のものばかり。
竹を斜めに切る門松をそぎ型、節のところで平らに切る門松を寸胴型と言います。
でも実は、いまやマイナーな寸胴型の方が由緒正しき形なんです。

門松の歴史は長く、発祥は平安時代からだとか。
ただ、当初から今の竹と松としめ縄のスタイルだったわけではありません。
最初は、野山に生えている小松を引き抜いて、長寿を願う貴族の間だけの行事だったそうですよ。
それが時代を経て武家や一般庶民へと伝わるなかで、次第にお正月飾りの定番となり、形も徐々に変わっていき、長い年月をかけて最終的に現在の形に。
松だけだった門松に、同じく子孫繁栄の象徴として縁起がよいとされる竹も一緒に用いられるようになったのは、室町時代からだと言われています。
最初は竹と松をただ束ねていただけなので、みんな寸胴型で斜めに切ったそぎ型は室町時代にはもちろんありませんでした。

では、今やすっかり主流になった斜めに切るそぎ型は、どんなきっかけで生まれたのでしょうか?
諸説ありますが、一番有力な説には、誰もが知っているある有名な戦国武将が深く関係しています。
詳しい由来については、次の章でじっくりご紹介しますね。

門松の竹の先端が斜めと平らの違いは?由来を知りたい!

最初は平らだった門松を斜めに切るようになったのは、いつからなのでしょうか?
諸説ありますので、これから代表的な由来4つをご紹介しますね。

徳川家康 vs 武田信玄説

一番有名な説は、徳川家康だと言われています。
ときは戦国時代に遡ります。
徳川家康と武田信玄が戦った三方ヶ原(みかたがはら)の戦いという合戦が年の瀬にありました。
そこで家康は、命こそ落としはしなかったものの、信玄に大敗します。
さらに勝った信玄は、新年の挨拶の歌を詠んで家康へ送ったそうです。
その歌がこちら。
「松枯れて 竹類なき あしたかな」
単純に現代語訳するとこんな意味です。
「松が枯れて、これからは竹が類をみないほどに繁栄していくだろう。」
ここでの松は、家康のことを、竹は信玄のことを指します。
それを踏まえて解釈すると…
「松平家(家康)が滅んで、武田家のみが今後は栄えていく、いい年明けだ。」
そんな意味に捉えられますね。

さて、そもそも松がどうして徳川家康なのか?についても、少しだけ解説しておきますね。
徳川家康の徳川は、実は改姓後の名前で、旧姓は松平なんです。
だから、武田信玄は歌を詠むときに、自分を植物の竹に例えるのと同じように植物の松と家康の松平をかけたんですね。

戦にも負けて、こんな挑発的な歌まで送られた家康は、まさに怒り心頭。
でも、自分の家臣から歌を詠みかえた一句を言われた途端に上機嫌に。
その歌がこちら。
「松枯れで 武田首なき あしたかな」
松(家康)は枯れずに、武田信玄の首が飛ぶ、めでたい年明けだ。
そんな意味です。
思わず、なるほど~!と声が出そうなくらい、とんちの利いた素晴らしい返しですよね。

この歌になぞらえて、門松の松を打ち首のように斜めにスパンと切り落としたのが由来と言われています。
ちょっと歌の部分は出来過ぎた話のようにも聞こえますが、負けた戦を悔いた家康が信玄になぞらえて竹を切ったとされるのは、有名なエピソードです。
家康が天下を治めた江戸を中心に竹を斜めに切るそぎ型が生まれ、その後全国的に主流になっていったと言われています。
実際、そぎ型の門松は中心に斜めに切られた竹があり、その周りを松が覆うように飾られています。
この説を聞いてから、門松をもう一度思い浮かべてください。
松(家康)が周囲を完全に包囲し、信玄の首をとったように見えませんか?
この逸話から、信玄の地元甲斐の国、現在の山梨県では、いまだに寸胴型の門松が多いそうですよ。

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武士の心構え説

長く伸びた門松の竹をみたある武士が
「もっと鋭く、自分の心を戒めたい!」
そう考えて、門松の竹を斜めに切り落としたのが始まりで、庶民もまねて流行っていったとされる説もあります。
一方で、寸胴型の方が武士に好まれたという説もあります。
寸胴型は真横に竹を切ることによって筒状になることから、中身がぎっしり詰まる(=お金が貯まる)とされていたんだそうです。

お医者さん説

江戸時代、お城だけでなく武家にも門松を飾ることが広まったものの、今のように綺麗にあしらわれてはいませんでした。
当時は切っていない竹をただそのまま束ねて、飾っていただけだったそうです。
徐々に文化として門松を飾ることは一般庶民にも広まりますが、江戸時代は武士と庶民の間には相当な格差がありました。
庶民が武家と同じように飾るなんて、もっての外!
そう考えた庶民の家では、竹の代わりに笹を使ったとされています。
医者の家でも笹を使って飾ろうとしましたが、笹を束ねただけだと藪(やぶ)に見えてしまい、ヤブ医者とされては商売あがったり。
そこで、庶民との差を見せるために竹を使うんですが、医者よりも格上の武家と全く同じように飾ってはやっぱり失礼。
少し格を落とすという意味で、竹を斜めに切ったことが由来とされています。

笑う門には福来る説

竹の節と節の間を斜めに切ると、切り口が笑ったときの口の形のように見えますよね。
そのことから、笑う門には福来るということわざにもあるように、斜めに切ったそぎ型の方がより縁起がいいとされた説もあります。

門松の飾り方で右左の向きは?正式な方法を知りたい!

玄関先に左右一対で飾る門松。
一対になっている門松は、実は雄と雌のセットだったって知っていましたか?
雄、雌と区別があるんだから、当然飾る配置にも決まりがあるんです。
どっちが右でどっちが左か、正解はこちら!

門松の飾り方で正しい向き

玄関に向かって左側に雄松、右側に雌松、この配置で飾るのが正解です!

雄松、雌松の見分け方

でも、門松に雄と雌があるって言われたって、どっちがどっちかなんて分かんない!
そうですよね。
そんなあなたへ見分け方のコツをお教えしますね。

雄松の特徴
  • 松の樹皮が黒っぽい
  • 葉っぱが太くて固い
  • 葉牡丹の色が白
雌松の特徴
  • 松の樹皮が赤っぽい
  • 葉っぱが細くて柔らかい
  • 葉牡丹の色が赤

雄松は黒松で、雌松は赤松。
松の種類自体も違うんですよね。
でも松の違いは、じっくり見ないとなかなか違いは分かりにくいですよね。
そんなときパッと見て一番見分けやすいのは、葉牡丹の色。
どうしてもわからないときや不安なときは、買ったお店に確認するといいですね。

せっかくの縁起物の門松。
配置も間違えることなく、正しく飾って福を呼び込みましょう!

竹の飾りにも意味がある!出飾りと迎え飾り

雄松、雌松の区別がついたところで、もう1つ門松を飾るときに注目したいポイントがあります。
3本ある竹の飾りですが、実は組み合わせ方が2パターン。
出飾りと迎え飾りという違いがあるんですよ。

出飾り

定番の飾りは、出飾りです。
なので、売っている門松のほとんどは出飾りで作られています。

3本の竹の配置は、こうです。

  • 一番長い竹が内側の奥
  • 一番短い竹が内側の手前
  • 真ん中の長さの竹が外側

出飾りは、その名の通り、ポジティブに送り出すことを祈願しています。

  • 子どもが早く独り立ちしますように
  • ご縁に恵まれて、結婚しますように(女の子がお嫁に行く)
  • 病院では、早く元気になって退院しますように

迎え飾り

3本の竹の配置は、真ん中と長い竹が反対になります。

  • 真ん中の長さの竹が内側の奥
  • 一番短い竹が内側の手前
  • 一番長い竹が外側

迎え飾りは、ポジティブに迎え入れることを祈願しています。

  • 子宝に恵まれますように
  • ご縁に恵まれて、結婚しますように(男の子がお嫁さんを迎える)
  • 商売ごとをしているところでは、お客さんがたくさん来てくれますように

目にとまりやすい寸胴型とそぎ型の違いだけでなく、竹の配置だけでも意味が変わるんですね。
今年の願い事はなんでしょうか?
年神様へお願いしたい願い事の内容で、定番の出飾りではなく時には迎え飾りを選んでみるのもいいかもしれません。

まとめ

今回は、お正月飾りの定番、門松についてご紹介しました。
参考になる情報はあったでしょうか?

いまや主流の斜めに切るそぎ型は、切り口が笑っている口に見えること、中身が相手からよく見えることから、接客業や飲食業に向くと言われていますね。
一方、由緒正しき平らに切る寸胴型は、中身がぎっしり詰まることからお金が貯まることを連想できるので、金融機関に向く形です。
そして、竹の飾りの出飾りと迎え飾りでも年神様へ祈願する意味が変わってくることもご紹介しました。
お仕事の内容や祈願したい内容によって門松を選んでみると、年神様からのご利益もより一層いただけるかもしれません。

お正月に街に出かけてみると形も大きさも様々な門松が飾られています。
地域によっては、逆さの門松や松だけの門松や巨大門松など、珍しい門松も。
松の内までの短い期間しか見られないので、初詣がてら見て回ってみても面白いですよね。

平安時代から続く日本の伝統の1つ、門松。
お正月飾りを下げる「松の内」という言葉も、実は門松が由来です。
歴史を経て姿形は少しずつ変わっているものもありますが、門松も他のお正月飾りのしめ縄や鏡餅も、これから先もずっと受け継いでいきたいですね。
忙しい年末ではありますが、仕事納めのあとはぜひ年神様をお迎えする準備を万端にして、どうぞよいお年をお迎えください。
お仕事もプライベートも充実した良い年になりますように…。

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