鏡餅のカビない方法は?手作りで気を付けることや長持ちする保存方法まとめ | 気になる事な~んでもすぐ分かる辞典ブログ♪

公開日 : 2019年10月11日 / 更新日 : 2019年10月10日

お正月と言ったら、しめ縄や門松もありますが、やっぱり最初に浮かぶのは美味しいおいし~い鏡餅!な人が多いのではないでしょうか。

年神様のためにご用意して、年神様からパワーを分けていただくための大切な鏡餅。
鏡餅をいただくと無病息災、1年間健康に過ごせると言われていますよね。

今ではスーパーやコンビニで、鏡餅型のプラスチック製の容器に入ったお餅もよく見かけるようになりました。 とっても便利なので、わが家でも毎年買うんです。

でも、あくまで形だけなので、正直ちょっとだけ味気ない感じがしちゃうんですよね。

本来の鏡餅作りは、もち米からスタートして、お餅をついて、お供えして、鏡開きをするところまでがセット。 丹精込めてご用意した鏡餅こそ、神様も宿って下さるような気がしますよね。 ただ、杵や臼も今どきなかなか見かけなくなってしまったので、お餅をつく機会もそうそうないかもしれません。

でも、だからこそ、もし生のお餅で鏡餅を用意する機会があれば、ぜひ昔ながらの日本の風習を大切に子どもたちへ伝える意味も込めて、鏡開きまで体験してほしいですよね。

ただ、自分でついた生のお餅が実はすごくカビやすいこと、知っていますか? せっかく苦労して用意した鏡餅がカビてしまったら、大ショック!

鏡餅をカビさせることなく、鏡開きまで何とか持たせて、有難く福と一緒にお餅もいただきたいですよね。

そこで今回は、下記のような5つの内容で、鏡餅についてまとめてみました。
カビ対策がメインですので、お餅つきの予定がある方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

  • 鏡餅のカビない方法は?鏡開きまで持たせるコツや長持ちする保存方法
  • 鏡餅のカビない作り方は?手作りで気を付ける事を衛生面から徹底解説!
  • 鏡餅のカビ対策にわさびやラップやアルコールは効くの?裏ワザや迷信まとめ
  • カビ対策をしたのにカビてしまった。食べられる?食べられない?正解はこっちだ!
  • 鏡開きのイロハ。木槌なしでも出来る鏡開きもご紹介

鏡餅のカビない方法は?鏡開きまで持たせるコツや長持ちする保存方法

鏡餅のカビない方法をお伝えする前に、そもそもどうして鏡餅はカビるのか?を解説しますね。

鏡餅にカビが発生してしまう原因

鏡餅がカビてしまう原因は、大きく分けて2つあります。

高温多湿

年末年始の12月~1月は、外は寒くて湿度も低くて空気はカラカラしてますよね。 だから、そんな時期にカビなんて生えないでしょ?と思っていませんか? 確かにお外は、気温も低くて湿度も低いです。 では、お家のなかはどうでしょうか。 エアコンやストーブで暖められて、ポカポカ。 風邪やインフルエンザ対策で、加湿器も24時間稼働。

そんなお家が多いのではないでしょうか。

ウイルス対策に加湿は最適ですが、カビ対策には加湿は天敵。
室温20℃以上30℃以下、湿度60%以上がカビの最も繁殖しやすい条件です。 いくら外が乾燥していたって、暖かくて湿度たっぷりなお家のなかは、カビにとって極楽状態。

だから、冬でも対策しなければ、当然カビます!

栄養豊富

食べ物も何でもかんでもすぐカビるのかと言うと、そんなこともないですよね。 では、どうしてお餅はカビるのか? それはお餅の成分にありました。 お餅は、栄養価がすごく高く、水分もたっぷり。 カビには酸素と養分、水分の3つが必要なんですが、鏡餅は飾っておくので空気にも触れていて、養分も水分もたっぷり。

カビが大好きな条件を全てを満たしているので、元々お餅はカビが生えやすい食材なんですよね。

スーパーで売っているお餅を思い出してください。 真空パックになっていたり、脱酸素剤が入っていたり、と空気に触れない工夫がされています。 さらにパッケージに「開封後は、冷蔵庫で保管してお早目にお召し上がりください。」って注意書きまでされていますよね。

メーカーさんがこれだけカビ対策をするのも、お餅がとってもカビやすいからです。

さらに鏡餅は、楕円形のお餅が2つ、上下に重なっていて、さらに橙が上に乗っていますよね。 お餅に負けず劣らず、橙も果物なので水分たっぷりです。 密着して重なった場所は水分がキープされやすいので、さらにカビやすくなります。

なので、元々カビやすいお餅プラス鏡餅の独特な形が、鏡餅にカビを発生させる大きな原因になってしまっているんです。

鏡餅のカビない方法

なぜ鏡餅がカビやすいかを分かっていただいたところで、本題の鏡餅をカビさせない保存方法をお伝えします。 年神様へお供えする有難い鏡餅。 鏡開きまで大切に保存して、年神様にあやかってパワーもおすそ分けしていただきたいですよね。 カビさせないための基本は、カビる原因の反対をしてあげることです。

鏡餅は買ってきて飾ったらおしまい!ではないんですね。

飾る場所は玄関がおススメ

カビを発生させやすい条件に、高温多湿があるとお話ししました。
つまり、鏡餅を涼しくて、湿度の低い場所に置けばいいんです。

え?真冬の寒いなか暖房なしで耐えろ!ってこと? いえいえ、そうではありません。

極寒に耐えていたら風邪引きますから、リビングはもちろんポカポカぬくぬくにあっためてくださいね(笑)

鏡餅は、本来は床の間や神棚に飾るのが基本ですが、今は一戸建てでも神棚がないお家も多いですよね。 実際わが家にも和室はあっても、神棚はありません。

神棚がない場合は、玄関でも、リビングでも、台所でも、家の中の大切な場所ならいいとされています。

カビ対策を踏まえて置く最適な場所は、ズバリ!
玄関をおススメします。
玄関なら、暖房も加湿器も効かないから涼しいし、外気とほとんど変わらないくらい湿度も低いし、人の出入りで換気もよく出来るから、通気性もいいですよね。

接着面をなくす

先ほどもお伝えした通り、鏡餅は楕円形のお餅2つが重なり、さらにその上に橙が載っている独特な形をしていますよね。
くっ付いていてカビやすいなら、離してあげたらいいんです。 やり方は何通りかありますが、ここでは代表的な方法を2つご紹介しますね。 どちらも併用すれば、もちろん効果はさらにアップします。

ぜひお試しください。

すのこ作戦

割りばしをお餅のサイズより小さめにカットして、お餅と橙のそれぞれの間に挟むんです。 こんな簡単なことですが、効果は抜群です。 お餅より短い割りばしなら、お餅で隠れてほとんど見えませんので、見た目もそんなに気になりませんよ。 割りばしを挟むことによって、割りばしが押入れに敷くすのこのように、お餅の間に空気の通り道を作ってくれるんですよね。 風通しがよくなれば、当然カビにくくなります。

でも割りばしとお餅の間もくっついているよね?という意識の高いあなたは、間に置く割りばしも毎日交換するとさらに効果的ですね。

割りばしを置く以外には、爪楊枝や竹串、くぎをお餅や橙に刺す方法も同じ効果が期待できて、接着面が割りばしよりもさらに少なくなるので、非常に有効な方法です。 ただ、日が経つにつれて、お餅はどんどん硬くなりますよね。 硬いお餅にまっすぐ綺麗に刺すのは、なかなか至難の業。

割りばしをポンと置くだけの方が手軽かなと思いますので、個人的には割りばしをおススメします。

和紙をサンド作戦

お餅と橙の間に、和紙を挟む方法もあります。
お餅や橙と同じくらいの大きさに和紙をカットして、それぞれの間に挟み込むだけ。
こちらも簡単なのに、効果は大!

和紙は、高温多湿の日本の気候にぴったりな昔ながらの天然素材。
湿度調節機能、通気性に優れているので、昔から畳と一緒に日本家屋によく使われてきましたよね。

和紙を挟んでおけば、お餅から出る水分を吸い取ってくれるので、カビが生えにくくなります。
もちろん1枚の和紙で吸い取れる水分には限界があるので、こちらも小まめに新しいものに交換すると効果がアップ。
和紙なら手軽に用意できるし、ハサミで簡単に切れるし、処分も簡単にできますよね。

換気をよくする

当たり前のことですが、声を大にして言います! 寒い冬でも、こまめに換気しましょう。

空気中のカビを減らすことで、鏡餅につくカビも減らすのが狙いです。

それに鏡餅をカビから守るのはもちろん、ウイルス対策にも換気は重要です。

換気をすることで、空気中に浮遊しているカビもウイルスも、まとめて外に追い出しちゃいましょうね。

橙を交換する

鏡餅を新しいものに交換するのは難しいですよね。 でも、お餅の上に乗せる橙ならどうでしょう? 年末から鏡開きまでの長い間同じ橙を飾り続けるよりは、橙も新鮮なものに小まめに交換した方が日持ちすると思いませんか? スーパーも元旦はお休みでも、大晦日や2日からは営業しているところも多いので、入手は十分可能です。

新しい橙に交換することで、二つ重ねた上のお餅と橙の間は少しカビにくくなりますね。

鏡餅のカビない作り方は?手作りで気を付ける事を衛生面から徹底解説!

お餅をつくところから手作りする場合、気を付けてほしいポイントが衛生面から3つあります。

素手で触らない

作り終わって飾る段階はもちろんですが、お餅をつく段階からぜひ徹底してほしいのが素手で触らないこと。 夏場の食中毒対策でも、よく言われていますよね。 私たちの手には、目には見えない雑菌が無数にいます。 すぐに食べれば害の少ない菌も、時間が経てば経つほどに菌はどんどん繁殖していきます。

この雑菌もカビを発生させる原因の一つですので、ぜひお餅を作る段階からビニール手袋をしたり、ラップを使ったりして、直接お餅に触れないようにしましょう。

冷めたらラップで密着

つきたてのお餅は、やけどしそうなくらいにあつあつ。 まぁるく成形し終えたら、丁寧に粗熱を取りましょう。 粗熱が残ったままだとお餅の表面が湿ったままで、湿っているところからカビやすくなってしまうので注意!

必ずしっかりと冷ましてから、ラップをぴったりと鏡餅の表面を底面も含めてしっかり覆いましょう。

そうすることで、カビの原因の1つ、空気に触れにくくなるので、カビが生えにくくなります。

ラップがぴったり巻けていないと効果が薄くなりますので、ぴったり巻き付けることを意識してくださいね。

見た目度外視でよければ、ジップロックの方がさらに密閉できて効果は高そうですね。

餅とり粉は使わない

餅つきのときに、お餅が手や臼にくっつかないように手につける粉を餅とり粉といいます。 通常は、上新粉や片栗粉などをよく使いますね。 とっても便利な餅とり粉ですが、鏡餅には使わないことをおススメします。

なぜなら、餅とり粉そのものがカビやすいんです。

小麦粉とか片栗粉も長期間常温で置いておくとカビやダニが出ますよね。 粉もの類も、開封後は密閉して冷蔵庫で保管!とパッケージに大体書いてあります。 すぐに食べるなら餅とり粉がついていても問題ないんです。 でも、鏡餅は鏡開きまで長期保存する必要がありますよね。 表面から徐々にカビていきますから、餅とり粉に真っ先にカビがついちゃいます。

出来るだけカビの発生リスクを下げたければ、餅とり粉は使わないこと。

もし、どうしても使いたい場合は、出来るだけ飾る前に餅とり粉をはらい落としておくようにしましょう。

鏡餅の手作りおススメ手順

素手で触れずに餅とり粉は使わずに、鏡餅を手作りする方法なんてあるのか? あるんです。 使う道具も、どれも新しく用意する必要なんてありません。

どのお家にもある、身近なものばかりです。

用意するもの

  • 大小のお椀(サイズ違いがあれば、どんぶりでも小鉢でも底が丸いものならOK)
  • ラップ

以上、2つだけです。
拍子抜けしちゃうくらいシンプルですね。

手順

  • 大小それぞれのお椀に、どちらもお椀の直径よりも長めにラップをつけておきます。
  • ラップを敷き詰めたお椀に、柔らかくなったお餅を流し込みます。
  • お椀に入れたままお餅が冷めるまで待ちます。
  • お餅が冷めて固まったら、お椀から外して、ラップを隙間なくピッタリとお餅に巻き付けたら、完成。

手順も簡単!
たった4ステップです。

これなら手でこねこねして成形する必要もないから、雑菌が入るリスクが減る上に、あつあつのお餅をこねて火傷する心配もないですよね。
それにラップでくるめば、カビの大好きな空気もシャットアウト! さらに自分で成形するよりも、お椀の形通りにまぁるく綺麗な鏡餅の形が簡単に出来るのもいいですよね。 ここで唯一気を付けたいのは、ラップのサイズ。

20cmくらいのコンパクトサイズのラップだと包みきれない可能性が高いので、ラップの幅は30cmくらいある大きめがおススメです。

余ったら切っちゃえばいいだけなので、ラップの長さはお椀の大きさよりもかなり長めに切った方が安心です。

鏡餅のカビ対策にわさびやラップやアルコールは効くの?裏ワザや迷信まとめ

よくカビ対策として聞く方法が鏡餅にも効果があるのか、6つの方法をご紹介していきますね。
もう作ってしまった、買ってきてしまった、という場合の鏡餅のカビ対策として参考にしてみてください。

わさび

わさびのからみ成分には、抗菌・殺菌作用があるため、カビの発生や繁殖を防ぐ効果が期待できます。 鏡餅にわさびを使う場合には、チューブのわさびを直接表面に塗りこんだり、お餅のなかに予めわさびを練りこんだりするのも非常に効果的です。 でも、そうするとお餅がどうしてもわさび味になってしまいますよね。 わさびが好きでからくても問題ないよ!という人はいいのですが、子どもは特にからいのが苦手な子が多いですよね。

わさびのからさが苦手な方のために、3つご紹介しますね。

粉わさびを和紙にサンド

最初にカビないようにする方法として、和紙をご紹介しましたよね。
和紙を2枚重ねて、その間に粉わさびを振り掛けておくんです。
これなら直接塗っているわけではないので、味は変わりません。

お弁当用抗菌シート

和紙よりもっとお手軽な方法に、お弁当用の抗菌シートがあります。
こちらもわさびの抗菌作用を利用して作られたものが多いので、同じ効果が期待できますよ。

家にあるもので…わさびチューブ

粉わさびも抗菌シートも家にない! わざわざ買うのは面倒! もっと手軽な方法を知りたい! そうですよね。 鏡餅のためだけに用意するのもな…と思いますよね。 それならチューブのわさびの出番です。 スーパーでお刺身を買ったときにタダでもらえるわさびでも、もちろんOKです。

こちらも2通り方法がありますよ。

お弁当用のアルミカップ編

お弁当のおかずを入れるアルミカップってありますよね? スーパーや100円ショップで売っている安いもので十分です。 方法は簡単。

アルミパックにチューブのわさびをたっぷりと入れて、鏡餅の近くに置いておくんです。

チューブのわさびの匂いは揮発しやすいので、ツーンとした匂いがしなくなったら、交換のタイミングです。

出来れば毎日、新しく絞って置きなおしてくださいね。

キッチンペーパー編

こちらもどのお家にもある便利グッズ、キッチンペーパーを使います。 キッチンペーパーを折り畳んだ内側に、チューブのわさびを絞り出します。

わさび入りのキッチンペーパーをお餅の底に敷くだけです。

からし

わさびと同じように、からしにも抗菌・殺菌作用があります。 からしの抗菌シートは見たことがないのですが、粉からしやチューブのからしはわさびと同じように売っていますよね。

わさびと同じ手順で、和紙やアルミカップ、キッチンペーパーの対策は可能です。

わさびはないけど、からしならある!という方は、ぜひからしでお試しを。

ラップ

先ほど手作りのお餅の作り方で、お餅をラップで包む方法を紹介しました。 なので、効果があると思いますよね? でも、カビ対策でラップが効果を発揮するのは、つきたてのお餅限定。 作ってから時間が経ったお餅では、カビ予防は期待が出来ません。

ただ、ラップだけでは効果は見込めないものの、最初にご紹介したわさびと併用すれば密閉度が高まる分、わさびのカビ予防効果をアップさせることが期待できそうですね。

さらにもう2つ、カビ予防以外にいいポイントがありますよ。

ラップで包んでおくことで、ひび割れ予防とほこり予防になりますね。

アルコール除菌スプレー

キッチンのお掃除グッズの定番品。 アルコール除菌スプレーですが、こちらは使えるものと使えないものがあります。 99%除菌!のキャッチュコピーでよくCMしているので、除菌効果はもちろん抜群! それなら、カビやすい鏡餅にもぴったりじゃないかと思いますよね。

でも、アルコール除菌スプレーは、多くのものは食品には使わないこと、と注意書きがされています。

鏡餅は、最終的に食べますよね。

アルコール除菌スプレーを噴きかけた表面をそぎ落として食べるならOKですが、そのままいただく場合には食品に使えないアルコール除菌スプレーは、やっぱり避けた方が無難です。

ただ、値は少し張りますが、食品にも使えるアルコール除菌スプレーもあるんです。

一番有名なのは、ドーパーパストリーゼ77ですね。

こちらは、酒造会社さんが作っている、アルコール度数77度の除菌スプレーです。 食品に直接噴射できるタイプのアルコール除菌スプレーは、実際に回転ずしなどでもよく使われているそうですよ。 これなら、安心して鏡餅にも使えますね。

なので、アルコール除菌スプレーは全部OKではありません。

商品の注意書きに食品にも使えるかどうかが書いてありますので、よく確かめてから使用してくださいね。

お酒のなかでおススメは焼酎

鏡餅のカビ対策に一番おススメなお酒は、焼酎です。 先日国民的アニメ、サザエさんでも干し柿を作る時に焼酎を家族で塗っているシーンがありました。 それくらいポピュラーな方法なんですね。 では、なぜ焼酎なのか?

それは、アルコール度数の高さにあります。

日本酒やワインだとアルコール度数が20%を下回るものもありますが、焼酎は大体35%程度のアルコール度数があるものがほとんどです。 アルコール度数が高濃度であればあるほど、それだけ除菌・消毒効果が高まるんですよね。

反対にアルコール度数の低いものだとせっかく毎日対策をしてもカビてしまうこともありますので、アルコール度数の35%以上のお酒を選びましょう。

ただし、アルコール度数が高いからと言って、ブランデーなどの香りの強いお酒はあまりおススメできません。 除菌・消毒効果は文句なしなのですが、鏡餅に匂いが移ってしまうんですよね。

その点焼酎は、鏡餅へお酒の匂いが移りにくいというメリットもありますので、もしお父さんやおじいちゃんの飲んでいる焼酎がお家に残っていたら、鏡餅用にちょっと分けてもらいましょう。

焼酎を使った鏡餅のカビ対策

カビが生えるのは、お餅の表面から徐々に内部へと進行していきます。
なので、表面を守ってあげることが一番大切。

用意するもの

鏡餅の表面に焼酎を塗るんですが、一番手軽なのはキッチンペーパーですね。
ビニール手袋をはめてから、焼酎を染みこませたキッチンペーパーで鏡餅の表面を丁寧に拭く。 そう、これだけです。 アルコールで消毒されることで、カビが生えにくくなります。

ちょっと手間かもしれませんが、出来れば鏡開きまで毎日続けてください。

キッチンペーパー以外の方法に、霧吹きで鏡餅に焼酎を噴きつける方法やハケで焼酎を薄く塗る方法もあります。 どれも同じ効果が見込めますので、お家にあるもの、自分のやりやすいもので決めてOKです。

ここで忘れてほしくない大事なポイントは、除菌するときにも素手で触らないことです。

ビニール手袋の装着をお忘れなく。

究極の裏ワザ?!鏡開きを待たずにいただく

もしかしたら、一番の裏ワザかもしれません。 でも邪道なので、賛否両論覚悟でご提案します。 鏡餅のカビやすさの1つに、長期保存がありますよね。 長くおいておくからダメなら、傷む前にいただいてしまおう!という逆転の発想です。 本来はもちろん鏡開きまで待つのが正式です。 でも特に手作りの鏡餅は、防腐剤などの添加物も入っていませんから、長期保存にはそもそも向かないんですよね。 神様に申し訳ないとちょっと心苦しい気持ちはしますが、傷ませて捨てることになる方がもっと罰当たりなきがしませんか?

お正月飾りを下げる松の内のタイミングでも、もっと言ったら三が日過ぎのタイミングでもいいのではないでしょうか。

もし鏡餅がないのが気になるなら、それこそ市販の鏡餅も買っておけば、神様の居場所もちゃんとご用意出来ますよね。

カビ対策をしたのに鏡餅がカビてしまった。食べられる?食べられない?正解はこっちだ!

どんなにカビ対策を頑張っていても、栄養満点の鏡餅にはどうしてもカビが生えやすいもの。
残念ながらカビが生えてしまったら、食べられるのでしょうか?

昔はよく言っていた「お餅のカビは無害。カビても食べられる」それは迷信

答えはノーです。 食べ物があまり十分に得られなかった昔の人にとって、お餅は貴重な食料でした。 ましてや神様にお供えする貴重な鏡餅。 カビが生えたくらいで捨てるなんてもったいない! 表面のカビだけそぎ落とせば、無害。問題なく食べられる! 昔は本当に思われていました。 おじいちゃん、おばあちゃん世代の方は、実際今でもそうして食べているかもしれません。

でも、いろんな研究が進んで、カビには発がん性があったり、アレルギー源になったりと、カビの危険性がたくさん知られてきたんですよね。

じゃあ、目に見える表面だけ落とせばいいよね?
それもノーです。 カビは目に見える部分だけでなく、奥深くまで根深く胞子を行き渡らせているので、残念ながら目に見える表面だけ落とせばOK!というわけではないんです。

お腹を壊すという即効性の体調不良だけでなく、蓄積されたものが数年後に突然アレルギーとなって症状に出てくることもあるそうですよ。

だから、「お餅はカビても食べられる」は、もはや迷信だと思ってください。 昔の常識、今の非常識です。 ありがたいパワーをもらおうとして、体を壊したんじゃ元も子もありません。

カビが生えてしまったら、年神様にはお参りのときにでも丁重にお詫びして、処分しましょう。

鏡開きのいろは。木槌なしでも出来る鏡開きもご紹介

いよいよお待ちかねの鏡開きです。
と、その前に、鏡開きについて3つ補足しておきますね。

鏡餅の飾る期間

まず、鏡餅はいつからいつまで飾るものなのか、おさらいしておきましょう。
飾り始める時期ですが、あんまり遅すぎると神様に失礼と言われていますので、遅くとも12月28日までに準備しましょう。 末広がりの八が入っているので、縁起がいい日にちなのも一つの理由だそうですよ。

門松やしめ縄などの他のお正月飾りも同じく28日までなので、全部セットでご用意できるといいですね。

では、下げるのはいつか? 鏡開きと一言にいっても、日本国内のなかでも地域によって差があります。 全国的に広い地域では、お正月飾りを下げる松の内が1月7日、鏡開きは毎年1月11日とされていますが、関西では松の内も1月15日までと長い分、鏡開きも遅くなり1月20日に行うようですね。

しめ縄や門松は松の内で下げますが、原則的に鏡餅は鏡開きの日まではそのまま飾っておきます。

鏡餅に包丁はNG

大きなお餅の鏡餅。 まさかそのままかぶりつくわけにもいかず、小さくしないと食べられませんよね。 さて、どうやって小さくしましょう?

包丁で切るのが一番簡単なんですが、鏡餅に包丁を入れることはご法度なんです。

切るという行為は、昔の人にとって切腹をイメージさせるものでした。 神様の魂が宿った有難い鏡餅を切るなんてとんでもない!そう思っていたんですね。

なので、乾燥してひび割れてきた鏡餅を木槌で叩いて、少しずつ割って小さくするのが本来の方法。

でも、鏡割りなんて言わないですよね?

割るという言葉も縁起が悪いと言われていたので、末広がりの開くという言葉を代わりに使ったのが鏡開きという言葉の由来と言われています。

木槌がなくても大丈夫!現代版鏡開き

でも、今どきのお家には杵や臼と同じく、木槌もないですよね? ハンマーや金槌があれば、もちろん代用してOKです。 いやいや、木槌もハンマーもないわ!というお家は、現代の力を借りましょう。

使うのは、電子レンジです。

手順

  • 鏡餅を軽く水で流して表面のほこりを落とす。
  • 大きなままの鏡餅を半日くらい水につけておく。
  • 半日後、水を薄くはったお皿に鏡餅をのせて、ラップをして電子レンジに5分くらいかける。
  • 柔らかくなったところから、少しずつちぎり取る。

こうすれば、包丁を使わなくても鏡餅を一口サイズにすることができます。 少し不格好でも、お雑煮や揚げ餅にしてしまえば気になりませんよね。

余すことなく、ぜひおいしくいただきましょう。

まとめ

今回は、お正月の代名詞、鏡餅をテーマにご紹介しました。
参考になる情報はあったでしょうか?

現代ではお年玉と言えばお金を渡すのがすっかり定番化していますが、昔はお年玉の中身は鏡餅だったんですよね。 鏡餅には年神様の魂が宿ると言われていて、その有難いお餅を家のなかの一番偉い人が家族全員に分け与えることを御年魂と呼んでいたそうです。 それが時代を経て、御年魂からお年玉に変わり、中身もお餅から他の贈り物になり、今のお金になったそうですよ。

鏡餅をおいしくいただいて、年神様のご利益で無病息災、元気に一年を過ごしたいものですね。

鏡餅を含めてお正月飾りを飾ることは、日本の昔ながらの風習です。 季節の行事にこそ、日本らしさが出るもの。 時代は変わっても、ずっと引き継いでいきたいですよね。

今度のお正月はお正月飾りやおせちの用意をしながら、1つ1つ由来や意味をお子さんと一緒に振り返りながら、新年を迎えてみませんか。

オリンピックイヤーの2020年も、良い年になりますように。

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