クリスマス、誕生日、節句のお祝いなど、小さいお子さんをお持ちの方はイベントにはケーキを作る機会が多いのではないでしょうか。
筆者も1歳半の息子がおり、息子の2歳の誕生日には手作りケーキで喜ばせたい。と今から意気込んでおります。
しかし、いざケーキをデコレーションしようと生クリームを冷蔵庫から出してみたら生クリームが固まっていて焦った。なんて経験はありませんか?
この記事を読んでくださっている方の中には、今まさにそんな状態にあり、固まった生クリームを使うかどうか悩み、調理が止まっている方もいるのではないでしょうか。
ここで記事では、そんな悩みを解決すべく以下の疑問についてまとめてみました。
- なぜ生クリームは固まるのでしょうか?
- 固まってしまった生クリームは元に戻して使えるのでしょうか?
- 腐った生クリームってどうやって見分ければよいのでしょうか?
生クリームが固まるのはなぜ?
固まった生クリームって使っても大丈夫なのでしょうか?
結論から言うと、賞味期限内であれば、使用しても健康上問題は全くありません。
では、どういう生クリームは使ったらだめなのでしょう。そして固まったらどうしたら使えるようになるのでしょうか。
そもそもなんで生クリームって固まるのでしょう?
そのまま使っても大丈夫!といわれても、なぜ大丈夫なのか納得できなければ安心して使えませんよね。お子さんに食べさせるのであればなおさらです。
そこで、ここでは『なぜ生クリームが固まるか』について説明します。
生クリームの原料は牛乳と同じものです。
牛乳には、乳脂肪という脂肪成分が含まれており、乳脂肪を多くしたものが生クリームと呼ばれています。
どれくらい多いかというと、牛乳の乳脂肪分が平均3.5%なのに対し、生クリームの乳脂肪分は30%以上です。
生クリームには、この乳脂肪分が球状(脂肪球)となって水分の中に散らばっています。
この脂肪球同士がくっつくことで、生クリームは固まるのですが、振動と温度によって脂肪球同士はくっつきやすくなります。
どういうことなのか、それぞれの原理について簡単に説明します。
① 振動
本来水と油は共存できないため脂肪球は周りを『脂肪球膜』というバリアで覆うことで、生クリーム内で水分と共存しています。
しかし、生クリームを泡立てるなどの振動が加わると、脂肪球がぶつかりあい膜のところどころに傷ができます。
そして傷ついた箇所から脂肪が出てきてしまい、水に触れるのを避けるため、傷ついた脂肪球同士でくっつき固まりになっていきます。
さらに振動が加わり続けると、脂肪球はどんどん他の脂肪球とくっつき、鎖のように結びついていきます。
そして最後には空気を包み込むようになり、ふわふわのホイップクリームになるのです。
② 温度
脂肪球はチョコレートのように、低い温度(3℃〜8℃)のときは固く安定していますが、それ以上の温度になると柔らかくなる性質があります。
そして柔らかくなった脂肪球同士はくっつきやすくなるため、くっついて固まってしまいます。これが生クリームの中の固まりです。
以上のことを考えると、生クリームを購入した時は持ち帰りの時の振動や温度管理には注意が必要です。
特に外気温の高い夏などは、保冷剤を使用するなどの工夫をすることで固形化が防げるかもしれません。
固まった生クリームを元に戻す方法は?泡立たせてホイップ出来る?
先述の内容で、生クリームの固まる理由について説明しました。
では、固まってしまった生クリームはどうすればもとに戻せるのでしょうか。
脂肪分と水分が完全に分離してしまうともとの状態に戻すのは難しいですが、
少々固まりが混ざっていたり、ぼそぼその状態であれば以下の方法で元に戻すことができます。
準備するのは、牛乳と冷水です。
ぼそぼそになった生クリームを冷水に浸しながら、大さじ1杯程度の牛乳を加えます。
静かになじませるようにかきまぜていくと・・
なんと、脂肪分の固まりが消えて生クリームが滑らかに変身します。
この復活した生クリームは、泡立ててホイップにすることも可能です。
ただし、牛乳を入れすぎると全体が緩くなるので、量は大さじ1ほどの量を目安に、状態をチェックしながら泡立てることをお勧めします。
牛乳の代わりにヨーグルトを使用してもできます。
また、他の利用法としてバターを作ることもできます。
ぼそぼその状態の生クリームをわざと分離をさせるようにかくはんします。
すると水分が浮いてくるため、水分を除去して脂肪分だけを残します。
残った脂肪分に塩と混ぜ合わせればバターの完成です。
ただし、かくはんさせる作業はとても時間のかかる作業なので、牛乳やヨーグルトを混ぜる方法で復活させて料理に使う方をお勧めします。
牛乳がない!という場合は、固まりだけを取り除けば、クリームの量は減りますがサラサラのクリームになります。
腐った生クリームの見分け方は?ニオイや味や見た目は?
生クリームって一回で全部使うこともあれば、料理に少しだけ使うことも多いですよね。
そうなると、冷蔵庫に賞味期限がほんの数日過ぎただけの、使用してよいか微妙な生クリームが残っていたりしないですか?
賞味期限が多少過ぎても食べられるものは食べる。といった世の中の雰囲気もあり、生クリームも加熱すれば使えるのでは?と思う方も多いのではないでしょうか。
そこで、以下の疑問について詳しく調べていきます!
- 生クリームは、賞味期限が切れても食べられる?
- 生クリームが腐っているかどうかは、どうやって見分けるの?
生クリームは、賞味期限が切れても食べられる?
「生乳のみ使用」や 「純乳脂肪」と表示がある場合
結論から言うと、その生クリームに「生乳のみ使用」や 「純乳脂肪」と表示がある場合は、期限が切れたら廃棄すべきです。
また、賞味期限内でも開封後はすぐに使い切った方が賢明です。
なぜかと言うと、生クリームは殺菌せず生乳を分離させ、脂肪分18%以上の部分だけを取り出して製造しているからです。
いわゆる生ものに近い状態ですね。そのため、特に脂肪分の純度がより高く、無添加の商品には注意してください。
植物性脂肪で作られている場合
一方で植物性脂肪の製品であれば、乳化剤や安定剤などの添加剤が含まれているので、賞味期限が切れても食べられる可能性があります。
ただし、生で使うのは少々リスクがあるため、料理などで加熱して使用する方が安心でしょう。
生クリームが腐っているかどうかは、どうやって見分けるの?
次に腐っているかどうかの見分け方ですが、純乳脂肪性も植物性も、腐ってしまったときの変貌ぶりはほとんど変わりないので、両者を分けずにご紹介します。
どちらも腐ったときは、酸っぱくなったり、かび臭い味がしたり、後味が苦いなどの味の変化があります。
また、見た目の変化は初期には特にみられず、腐敗が進行すると水分と油分が分離したり、赤いカビが生える、全体が黄色く変色する。などの目に見える変化があるようです。
以上のように、使えるものかどうかの確認は可能ですが、やはり生のものなので、メーカーの注意書きを確認し、賞味期限内に使い切るようにしましょう。
まとめ
生クリームの固まる理由、固まった状態からの復活方法、賞味期限について解説しましたが、いかがでしたか?
イベントごとや料理には欠かせない生クリームですが、普段からお菓子作りや手の込んだ料理をしない自分にとって、生クリームは扱いづらいイメージの遠い存在でした。
同じように感じていた方も、今回の記事で生クリームへの抵抗がなくなったのではないでしょうか。
今後は今回知った情報をいかして、安全で美味しい生クリームを使った手作りお菓子や生クリームを使った料理に挑戦してみたいですね。