秋になると、その年に収穫した新米が農産物直売所やスーパーなどで見かけるようになります。
とれたてのお米は白くてツヤがあって、とっても美味しいですよね。
ただ、時々お米の中に黒っぽい粒が混ざっているのを見かけたことはありませんか?
白いお米の中に黒いものが入っていると、なんとなくいい気持ちはしないですよね。
そこで今回は、この黒い米粒の正体について、以下の3つの内容を踏まえながら、詳しくご紹介していきたいと思います。
- ズバリ、黒い粒の正体とは!?
- ご飯の中に混じっている黒い粒をうっかり食べてしまっても大丈夫?
- 黒い粒を上手に取り除く方法はある?
新米に入っている黒い粒の正体は虫か種かゴミ?混ざる原因は?
では早速、お米の中に入っている黒い粒についてお話ししていきましょう。
お米の中に時々見られる黒い粒について、何かのゴミが混ざってしまったのかと思う人もいますが、残念なら違います。
黒い粒の正体は主に2つあります。
1. カメムシがお米の栄養を吸った痕
カメムシというと、あの独特の嫌なニオイを出す虫というイメージがありますよね。
そのカメムシがお米の栄養を吸うと、お米が黒く変色してしまうのです。
米農家さんにとってカメムシは、お米作りにおいて厄介な虫として知られています。
できるだけ虫がつかないように、米農家の方も取り払う対策をしていますが、全てのカメムシを取ることはなかなか難しいのが現状です。
だけど、カメムシがお米に寄ってくるということは、実は農薬などの有害な薬をなるべく使わずに育てたお米であることが多いのです。
米農家さんが安全で大切に育てたお米だという証拠ですので、多少の黒いお米は仕方ないものだと思っておいたほうがいいかもしれませんね。
2. クサネムの種
田んぼ付近に大量に生える雑草の一種です。
クサネムが大きく育ってくると、種がたくさん作られるようになります。
この種が田んぼの中にたくさん飛ばされると、稲刈りの時にお米と一緒に混ざってしまいます。
だから、お米を作っている農家さんは、田んぼやその周辺に生えているクサネムをしっかりと除去する必要があります。
もしこの作業を怠った場合、お米の中にクサネムの種が入りこみ、等級が低くて安い品質のお米として売られてしまうのです。
カメムシとクサネム。この2つが、白いお米に混ざってしまう黒い粒として有名です。
お米を売って生計を立てている農家の方は、出荷前に黒いお米をはじく選別機を使うなど、できるだけ等級や品質が落ちないように手間暇をかけています。
ただ、小さな米農家さんだと、高価な選別機を持っていないこともありますので、全ての黒い粒を除くのはなかなか難しいでしょう。
新米に入っている黒い粒を食べても大丈夫?体に害はない?
では、カメムシによって黒くなったお米やクサネムは、万が一食べてしまっても大丈夫なのでしょうか?
色が黒いだけに、毒とか害がありそうな感じもしますよね。
不安がある方も多いと思いますが、基本的には、黒いお米やクサネムを食べてしまっても問題はありません。
安心してくださいね。
実は私の実家でもお米を作っているのですが、収穫したての新米の中にも、時々入っているのを見かけます。
ご飯の中に入っていた黒い米粒を食べてしまったことは何度かありますが、体調が悪くなるということもないし、全く問題ありませんでした。
ただ、知り合いのお米屋さんからは以前、「黒いお米は少し苦味がある」と聞いたことがあります。
また、私も色々と調べてみたのですが、やはり「黒いお米やクサネムの入ったご飯はあまり美味しくない」という情報がたくさん見られました。
ご飯の中に黒い粒がたくさん入っていると、もしかしたら苦味を感じてしまうかもしれませんね。
もし気になるようでしたら、お米を研ぐ時に、黒いお米やクサネムの粒をある程度取り除いておくことをオススメします。
苦味を感じずに美味しく食べることができますよ。
ちなみに、黒ではなく緑色っぽいお米を見つけたら、要注意です。
緑色に変色したお米は、「カビ」ができてしまっている可能性があります。
何かの拍子でお米が水に濡れてしまい、時間が経つとカビが生えてしまいます。
黒いお米と違い、緑色のカビたお米はお腹を壊す可能性があります。
見つけたら捨てるようにしてくださいね。
新米に入っている黒い粒を取り除く方法は?ふるいやざるで取れる?
次にお話しするのは、黒いお米やクサネムを取り除く方法についてです。
ここでは、最適な方法を2つご紹介したいと思います。
1. 手で取り除く
もし黒いお米をすぐに取り除きたい場合は、手で一粒一粒取り除いていくのが手っ取り早いです。
黒いお米が数粒程度ある場合は、お米を研ぐ時にできる範囲で良いので、手で取り除いておきましょう。
炊飯器でお米を炊いた後だと、お米同士がくっついてしまうので、黒いお米だけをキレイに取るのは少し難しくなってきます。
「お米を研ぐ時にチェックしておく」というのがポイントです。
2. ふるいにかける
ふるいにかけて、黒い粒だけを取り除くという方法もあります。
ただ、この方法が使えるのは、クサネムの中でも小さめの種だけに有効です。
クサネムの種は、お米より少し小さめかほぼ同じ大きさですが、小さめの種であれば、ふるいにかけて落とすことができます。
一方で、カメムシによる黒いお米については、ふるいで落とすことは難しいです。
黒いお米は色が違うだけで、大きさは白いお米とほぼ同じですので、他の方法で取り除くのが良いでしょう。
3. 色彩選別機で取り除く
黒い粒がかなり多く入ってしまっている場合は、手作業だととても大変です。
そんな時は、「色彩選別機」を使ってみましょう。
色彩選別機という機械は、白いお米と黒い不良米を選別して分けてくれる機械です。
コイン精米所みたいに、誰でも気軽に使えるように選別機が設置してある所もありますが、実は設置数が少ないので、あまり見かけないかもしれません。
ただ、私が独自に調べてみたところ、コイン精米所のある場所に一緒に設置されていたり、農協の直売所の敷地内に色彩選別機が設置してあるのを見つけることができました。
もし使ってみたいなと思ったら、まずは近くのコイン精米所や農協の直売所に行って探してみることをオススメします。
まとめ
今回は、お米の中に混じっている黒い粒の正体や、取り除く方法についてお話ししました。
黒い粒を見つけたら取り除いて、美味しいご飯が食べられるようにしたいですね。
ちなみに、等級の高いお米であれば、黒いお米が混ざっている割合が少なくなります。
良かったら、お米を買う時の参考にしてみてくださいね。